上記の画像は、私が小学校を卒業する時に書いたものです。「文章が書けない・学習に障害がある子供の書いた文章」という、解りやすく形に表され、その形が今現在も残り存在している…過去の私の卒業文集です。

当時、小学六年生で卒業間近だった私は、小学校低学年で言われていた、学習障害というものは殆ど解からないくらいになっていました。特殊学級ではなく、普通学級で普通にお勉強をし、授業を受け、机椅子に座っていられないという奇怪な行動もしなくなり、成績も落ち着いていました。

しかし卒業文集は、ご覧のように、他の生徒に比べると明らかに特別扱いされています。全部で4クラスあったその卒業文集の中で、唯一私だけが文章でないのです。「イラストでも可」という先生からの言葉は、私だけに採用されたものでした。

 

「先生、書けません。」

私の思いを短い言葉で、担任の先生に伝えました。それを担任の先生と学年主任とその他の大人たちは、相談し合いながら、私の学力を考慮し、その表現方法を私に提案したのでした。


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そういえば私は、読書感想文というものが嫌いでした。もちろん文章は読めなかったので億劫だったこともあるのですが、それだけでなく、頑張って書いて提出した後、何故か先生から怒られ、授業で取り上げられクラスの笑いものになることがあったからです。

当時の私の読書感想文の書き方は、その原作がビデオやアニメになっているものを選び、映像機器を使用していくという方法をとっていました。それでももちろん読んで見た感想となるので、読書感想文では成り立ち、問題が無いように思えます。

私は当時から、文法は目茶苦茶なくせに、書くこと(表現すること)は苦ではなく、むしろ好きでした。しかし、私の場合はここから(書く内容)が問題でした。感想文が「あらすじ」でいっぱいになってしまうのです。指定枚数が5枚だとしたら、5枚を超える10枚くらい、全てがあらすじで、最後の何行だけが、そのあらすじの感想となっていました。

「読書感想文はあらすじになってはいけません」という先生からよく聞く注意事項は理解はしていたものの、勝手にあらすじになりました。そして肝心な感想が少しになりました。

しかし、「文章を書く宿題をだされた時も、出題要項を守らない」のではなく、それにはしっかりとした理由があったのです。


 読む人は勿論、担任の先生です。先生は私が見た、読んだ本を、読んだことが無いのかもしれない。内容を知らないのかもしれない。もしそうならば、自分の感想だけ書いても面白くないだろうと思い、あらすじでいっぱいにしました。そして自分の感想が少ないのは、その物語で感動したのなら、自分の感想ではなく、まず、その物語をそのまま人に伝えたいからでした。

私の書いた感想文を読む人のことを、当時の私は、自分でも気付かないうちに考えていました。


 自分の感想よりも、どれだけ素晴らしい物語だったのかを知ってもらうかを考慮したことを、他人(大人)に理解してもらうには難しすぎることでした。

 

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 六年間の思い出たちを、そんな小さな枠に描くことが出来ないと、子供らしくない屁理屈で不条理ながらも、真剣で真面目に訴える1人の子供の気持ちは、大人には理解されず、そのままの「形」で残りました。

 

この卒業文集は、中学生以降にできた友達にはずっと見せないでいました。自分でもずっと見ないようにしていました。

「私は昔のようなバカではない」…見栄でもありましたが、他人にも自分にも封印しなければいけない過去でした。

しかし、あえて自ら封印していた卒業文集を開き、ここ(ホームページ)で公開したということは、私の中で相当な決意がありました。
 
 実は今、これまでに書くことのなかった、長文の創作(小説)や随筆(ノンフィクション)を書いています。その途中で、この卒業文集を開けました。自分への挑戦でもありました。過去の自分を受け入れてそれでも勝負しようという決意と、過去の自分をどれほど生かして作品が書けるのかという挑戦です。克服するのではなく、受け入れていくことを自分に誓いました。

そして何よりも、「過去LD児だった人が作家を目指し、駄文を書いているということ」を承知に、このホームページで私の文章を閲覧してくださる方たちに、前へ進んでいる私の存在が、何かの役に立てれば…と思っています。


 私には今の夢が、とてつもなく儚く遠いのです。自己実現と同時に進行していかなくてはいけず、どちらかを諦めたくなることが、本当にたくさんあります。

だけど私は進みます。

「過去があるから今がある」と、言葉や上辺だけのものではなく、心の底から思える…過去の自分と今の自分が、合致する日まで。

子供の頃に出来なかったこと…自分の思いを、過去の自分の分も表現できる日まで。






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